私たち日本の女性の多くは、父親に対して親密感を抱くことなく育ちます。(もちろんこれは日本に限ったことでなく、韓国やベトナム、中華圏の女性たちも同じような悩みを抱えているように見受けられます。)

そして多くの日本人女性は、自分が父親に受け入れられていない、愛されていないと感じ、言いようもない距離感を感じています。

どうでしょう。私たちが小さい頃、もしくは10代の頃、何か悩みがあった時にお父さんに相談した人はどれ位いるでしょうか。たいがいの人はお母さんに打ち明けるか、もしくは友達に話していたのではないでしょうか。

なぜ多くの若い女性が現在、情緒的な問題を抱えているのでしょうか。もちろん要因はいろいろあると思いますが、この「父親との親密感の欠如」は無視することのできない大きな問題の一つだと思います。

私は『大草原の小さな家』を読んだときに、娘ローラの、お父さんに対する親しみと近さに感銘を覚えました。ローラのお父さんは、ローラの小さな悩みにも真正面から向き合ってくれ、ある時はローラを抱きしめ、ある時は賢明なアドバイスをくれるのです。そこにはいつもスキンシップがあり、会話がありました。

この物話は少女ローラの視点で書かれているのですが、ローラの小さな世界の中でお父さんの存在はとてつもなく大きいのです。強くて、やさしくて、みんなを守ってくれて、そしてローラのすごく近くにいる人――それがローラの父親像だったと思います。

父親というのは私たち娘がはじめて出会う男性です。ですから私たちの男性像は、良くも悪くも自分の父親を中心に築かれていく場合が多いのです。

そして天の御父のこともそのイメージの延長線上で考えがちです。父親が自分と真摯に向き合ってくれなかった娘は「天の御父だって自分のことなんかまともに相手にしてくださる訳がない」と考えがちです。また日常生活の中に物理的にも心理的にも父親がいなかった人は、「いつも自分の近くいてくださる」天の御父の臨在を感じることに困難を覚えています。

私たちの父親が皆、ローラの父親のようだったらどんなによかったでしょう?しかし多くの場合、現実はそうではありません。

私たちの父親もそれなりに一生懸命なのです。しかしこの地上での、父・娘の関係は、本来意図された関係とは遠いところにある場合が多いのです。

あなたはこれをプラスに取りますか。それともマイナスに取りますか?私はこれをプラスに取ることにしました。

どういうことかといいますと、地上における不完全な父・娘関係は、私たちをして天上にある完全な御父・娘関係へと向かわしめる一大原動力になるからです。私たちは本来、不完全な関係では満足できないのです。そういう風には創られていないのです。

私たちのことを丸ごと受け止めてくださり、私たちの祈りや願いや告白に真正面から向き合ってくれるそんな〈父〉を私たちの魂は求めています。鹿が谷川の流れを慕いあえぐように、私たちの魂はこの方を切実に求めています。そして飢え渇いているのです。

また私たちの御父は応答してくださる方です。私たちが自分の思いをすべてひっさげ、この方の元に駆け込んで打ち明けるとき、この方は必ずまっすぐに応答してくださるのです。私たちと向き合い、答えてくださるのです。

そして、この力強くやさしいお方の御胸にしっかり抱かれ、受け止められていることを知るとき、私たちは癒されます。そして情緒的にも安定します。このすばらしい親密感はなににも、誰とも置き換えることのできないものです。その他すべてものは影にすぎません。

こうして私たちは三位一体の神のふところに入っていきます。これまでは御父・御子・御霊というのは教理的なものにすぎなかったかもしれません。しかし私たちが全身全霊でこの方を求め始めるとき、この神秘の扉は開かれ始めます。

私は次のことをあなたに申し上げたいと思います。――あなたがどのような家庭環境で育ったとしても、今、どのような環境にあるとしても、それはあなたをこのお方のふところへと向かわせるすばらしい一大プロセスなのです。

ですからどうか、これまでに与えられなかったもの、得ることのできなかったものに目を留めないでください。それ自体は悪でありあなたに悲しみをもたらすものであったとしても、それは御父の元に運ばれるとき、あなたにとって益となります。どうかそのことを覚えてください。そしてあなたの全てをひっさげて御父のもとに行ってください。


宣教地ーどこに行くべき?どの民族の元に遣わされるべき?

心に残った文章ー内村鑑三の祈りとことばー