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私は昨年、新約聖書ギリシア語の発音について―21世紀によみがえる聖書ギリシア語という記事を書きました。

そしてその中で、「従来のエラスムス式の発音の他に、最近では、〈復元版〉聖書ギリシア語の発音が、にわかに注目を浴び始めていること」、それから、「新約の書かれたヘレニズム期のギリシア語の発音は、プラトン等の古典期の発音よりも、現代ギリシア語の発音にずっと近かった」ということに触れました。

今日は、その続きとして、私の好んで聴いているオーディオの新約聖書をみなさんにご紹介したいと思います。

これはネイティブのギリシア人が現代ギリシア語発音で吹き込んだものです。聴いてみるとお分かりになると思いますが、声の高さも良く、自然なスピードで、しかも明瞭に発音されています。

このリズムや抑揚は、今、ギリシア共和国で話されているギリシア語と全く同じものなので、聴いていても、全く「死語」とか「古典語」とかいった感じがせず、私たちの心に生き生きと語りかけてきます。

おそらくエラスムス式で学ばれた方にとっては、〔i〕の音のやたらに多い現代ギリシア語の発音に最初、慣れないものを感じるかもしれません。

しかし、この「イ音化現象」(itacism, ιωτακισμός)は、すでに新約期に始まっていたことが最近の音声学の研究によって実証されています。

これについて織田昭先生はこのように書いておられます。

現代ギリシア語にはこのような「イ音化傾向」によってイ音化している字がひじょうに多い。例 ι-υ-η-ῃ-ει-οι-υι。この傾向は後述するように、既にヘレニズム期に始まったもので、新約聖書の時代にはすでにこれらのほとんど全部がイ音化して、現代語と同様に発音されていたと思われる

ー「新約聖書ギリシア語の発音について」より



ですから、たとえば、αγαπηはアガピー、οικοςはコスと朗読されています。また、ヘレニズム期には現代と同じように、αιも〔アイ〕ではなく、〔エ〕と発音されるようになっていたそうです。

ですから、καιは〔ケ〕 είναι は〔イ〕、そしてειμαιは〔イ〕と発音されます。(最初のうちはへんてこに聞こえるかもしれませんが、聴いているうちにだんだん自然になってきますので安心してください。)

どの発音法を選ぶにしても、聖書ギリシア語を学ぶ私たちが、自分の耳で生の音を聞き、リアルな生きた言葉として聖書のみことばに親しんでいくことができれば、そしてそれによって、もっともっと神様を愛する者へなっていけば、幸いですね♡

下に一例としてヨハネの黙示録のVTRをご紹介します。(新約聖書全編をお聴きになりたい方はKoine Greek New Testamentをクリックしてください。)


(ヨハネの黙示録)



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