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どんな悪いおとずれも恐れることをしない一人の人がいた。

なぜなら、彼女の心は主に信頼して揺るがなかったから。


そして主を信頼する彼女の心は、とこしえに神のあわれみの内にあった。


しばしば主は、暗闇の中に輝く光のように立ち上がられた。

困難の中から彼女が呼びかけると、主は彼女を引き上げ、祈りに答えてくださっていた。


主は常に憐れみ深く、愛にあふれ、義なるお方であられた。


それで彼女はこう申し上げていた。

「だれが、わたしたちの神、主のようでありましょう。主は高い御位に座し、身を低くして天と地をご覧になられます」と。



でも今、彼女はひとりきりで立っている。

大いなる霧を見つめながら。



広大な山あいが彼女の前にひろがっている。

でも、そこはいつも霧。


下の谷間にある小さなわだち以外、どんな道も見えない。



とってもさみしい。彼女は思った。


そしてしばしの間、ただ立ちつくしていた。


今まで味わってきたどんな苦しみよりも耐えがたく感じる――この孤独感と心細さをじっと見つめ、耳にしながら。


その時、やわらかに、彼女の内で声が聞こえてきた。


ある時には落胆させるような、

またある時には心を引き上げるような声が。


「わが身とわが心とは衰える。しかし神はとこしえにわが心の力、わが嗣業である。」(詩篇73:26)


「私の愛する者や私の友も、私のえやみを避けて立ち、私の近親の者も遠く離れて立っています」(詩篇38:11)


「しかし私は絶えず、あなたとともにいました。あなたは私の右の手をしっかりつかまえられました」(詩篇73:23)


「私の涙は、昼も夜も、私の食べ物でした。人が一日中『おまえの神はどこにいるのか。』と私に言う間。」(詩篇42:3)


「わが神、主よ。あなたが答えてくださいますように。」(詩篇38:15)


「わがたましいよ。なぜ、お前は絶望しているのか。なぜ、御前で思い乱れているのか。神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。私の救い、私の神を。」(詩篇42:11)


「私の道は主に隠れ、、」(イザヤ40:27)


「私の道はすべて、あなたの御前にあるからです。」(詩篇119:168)


「神、その道は完全、、、この神こそ、、私の道を完全にされる」(Ⅱサム22:31,33)


「主がかわいた地を通らせたときも、彼らは渇かなかった。」(イザヤ48:1)


主が丘陵を通らせるなら、彼らは気落ちしてしまうかしら。


そして彼女はまた霧の方を見た。


そこに輝きがあった。


彼女はひとりでないことを知った。


神が彼女の避け所、また力。

苦しむとき、そこにある助けであるから。


主は彼女の歩む道の近くにおられ、ご自身の恵みを彼女に示された。

そしてその恵みは心を慰めるものだった。


彼女はもはや恐れなかった。

なぜならおぼろげな山あいは、主にとっては開かれた道であるから。


主は彼女の希望をくじくようなお方ではなかった。


だから、次の数歩が見えていれば、それで十分だった。

主が彼女の前を行かれ、

彼女が歩んでゆけるよう、足跡を残してくださるはずだから。


そして次のことも彼女にとって確かなものだった。


――彼女のつき従っているお方の目は、霧を突き抜け、

道の終わりまで見通しておられる。


だから、混乱し、迷うようなことは決してない。


するとその時、一つの歌が彼女に与えられた。


歩きながら彼女は歌った。


「あなたは私を多くの苦しみ、そして悩みに会わせなさいました。でもあなたは私を再び生き返らせ、地の深みから、再び私を引き上げてくださいます。」(詩篇71:20参)


「主は私の力、私の盾。私の心は主に拠り頼み、私は助けられた。それゆえ私の心はこおどりして喜び、私は歌をもって、主に感謝しよう。」(詩篇28:7)


「私があなたに呼ばわるとき、あなたは近づいて、『恐れるな』と仰せられました。主よ。あなたは、私のたましいの訴えを弁護して、私のいのちを贖ってくださいました。」(哀歌3:57-58)


「私の口には一日中、あなたの賛美と、あなたの光栄が満ちています。」(詩篇71:8)


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こうして彼女が歩き、歌っていると、他の人たちの耳に

――立ち込める霧のせいで彼女にはこの人たちのことが見えていなかったけれど――その歌声が聞こえてきた。


そしてそれによって彼らは慰められ、旅を続ける勇気が与えられた、、

そう最後まで従い続ける勇気が。




Amy Carmichael, Figures of the Trueより 私訳










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