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美しいナスタリーク書体



中東のことばの世界を旅する中で気づかされるのが、この地域一帯に影響を及ぼしている二つのパワフルな言語の存在です。

その二つの言語とは、

1)アラビア語

2)ペルシャ語




です。アラビア語を東の横綱とするなら、ペルシャ語は西の横綱でしょう。

☆☆

数年前、私は、トルコから来たあるクルド難民の母子と、どうしてもコミュニケーションを取らなければならなくなりました。

このお母さんは、トルコ語とクルド・クルマンジー語の二語を解し、英語はまったく知りませんでした。

一方、私はトルコ語もクルマンジー語も解しませんでした。

つまり、彼女と私をつなぐ共通の言語は皆無だったのです。

☆☆

しかし女性難民シェルターのことで、どうしてもこの女性に詳細を説明しなければならず、私は途方にくれました。

そしてもがきつつ、ペルシャ語とアラビア語の単語をランダムに並べ立て、なんとか意思を伝えようとトライしてみたのです。

するとどうでしょう。

トルコ語とクルマンジー語の中にもやはり、アラビア語ないしペルシャ語の語彙が豊かに含まれていたらしく、けっこうまぐれ当たりで、彼女が「ああ、分かった!」と肯定的な反応をしてくれたのです!

また、ウルドゥー語(パキスタン)はもちろんですが、中東からはかなり離れた所に位置するバングラデシュのベンガル語の中にも、けっこうペルシャ語の借用語が含まれていることを知り、驚いたことがあります。

(*ちなみに、パキスタンという国の名称はペルシャ語の「paak=清い、clean」と「staan=state、州、場」の二語から成っており、clean state(清い国)という意味です。)


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☆☆

私は、北ヨーロッパの宣教学校にいた時分、自分がもしや中東ミッションに召されているのではないかということを知り、非常に恐れつつも、すぐさまアラビア文字の習得に取り掛かりました。

またちょうどその時、その学校には、エジプト人ミッショナリーの家族が滞在していました。

そこで私は、暇そうにうろうろしていた、そこの家の小さな男の子を捕まえ(笑)、その子から文字のネイティブ発音を学びました。

その後、ギリシャに遣わされたのですが、派遣先の教会では多くの方々がアラビア文字で書かれた聖書を使っておられました。

私はてっきりそれがアラビア語なのかと思ったのですが、訊いてみると、「いいえ、私たちはファルスィー語話者です」ときっぱり否定されました。

調べてみると、ファルスィー(Farsi)というのはペルシャ語のことだということが分かりました。

「ああ、アラビア語とペルシャ語っていうのは同じアラビア文字を使っているけど、やっぱり違う言語なんだ」とそこで初めて知ったのです。

(本当に私の中東理解というのはこの程度しかなかったのです!それでもなんとかなる、ということをみなさまに分かっていただけたらと思います。



アラビア語からペルシャ語に切り替える



こうして現地の言語ニーズに気づいた私は、アラビア語学習から今度はファルスィー語(ペルシャ語)にすばやく切り替えました。

私にとって幸いだったのは、アラビア語経由でペルシャ語に入ったので、両者のおおまかな違いや類似点を見い出すことができたことでした。

次につづく記事で、そういった点をみなさんとご一緒にみていけたらと思います。




おまけ


アラビア語とペルシャ語のひびきを味わってみよう!




↓これはアラビア語での「主の祈り」です。






↓こちらは、ペルシャ語での「主の祈り」です。






それから、下はPaul Wilbur作曲 For Your Name Is Holy のアラビア語バージョンおよびペルシャ語バージョンです。



① アラビア語版





② ペルシャ語版







みなさん、どうですか?

耳で聞いて、どんな印象を受けましたか。それぞれどんな響きがあるでしょう。

発音はむずかしそうですか。それとも、「案外スムーズになじめそう」って思われましたか。

みなさんの自由なご感想、お待ちしています。


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